今更、第24回世界コンピュータ将棋選手権の日記

かなり前に書いたものです。。
将棋電王トーナメント始まる前に載せないと載せる機会ないよなーと思った次第。
日記をいちいち載せる必要は勿論無いんだけれど。


ここから第24回世界コンピュータ将棋選手権の日記



選手権2日前
仕事は定時退社して急いで帰宅して準備して夜行バスに。
3回目の選手権ともなると慣れてきてしまって準備もぎりぎり。
何とか支度して出発。



選手権前日
早朝に東京駅に着いたので昼からの会場での準備には時間あり過ぎて、とりあえずマクドで開発。
高速化したい部分があったので頑張ったが、間に合わず。
会場へ行くバスのアクシー号ではメカ女さんと偶然ご一緒。
大会がある度にこうやって久しぶりに集まるのは楽しいなぁとしみじみ思った。
かずさアークに着いたら、すごく綺麗なところで驚いた。
道中がすごく田舎なことにも驚いたけど。


着いたらお久しぶりな方々や初めましてな方々もいて、ますます嬉しくなった。
テスト対局何度かしたが、どうもマシンが不安定。
最後に Warsenal Zero とテスト対局したら対局続行不能に陥って、
非常に不安になったが、時間が来たので仕方なく撤収。
シードで翌日は対局しなくて良いというのが救いであった。
選手権前日から現地行って良かった。


宿は取ってなかったが、芝浦将棋Jrの五十嵐先生、GA将!!!!!!!の森岡さん、無明5のWadaさん、運営の香山さんが
エクセル木更津に泊まるらしいので、その日は疲れてたし付いて行った。
偶然空いてて泊まれた。翌日以降は満室で泊まれないらしいので、駅前に見つけたカラオケに泊まることに決めた。
夜ご飯は駅前の中華料理屋に五十嵐先生、森岡さん、Wadaさんと一緒に行った。
私以外は皆さんBonanza Methodとは違う方法を研究している。
色々話せて良かった。



選手権初日
Aperyチームのメンバー揃う。
午前中は第1局を楽しく観戦後、自分のマシン調整。
PC発送直前にやったPGOビルドが原因かもと疑ってみた。
元からプログラムがバグってたりすると、PGOビルドしたときにそれが表面化し易くなることは考えられるので。
しかし結果的にはPGOは関係なさそうで、
結局オーバークロックしてるとどうも駄目で、安全に対局を終わらせることが先決と判断し、
オーバークロックをしないことに決めた。
自宅ではオーバークロック無しでは問題なかったので、輸送で壊れて無ければ大丈夫なはず。
ただし、会場で十分テストする時間は無かったので、それでも本番には少し不安が残った。
自宅で十分にオーバークロックのテストをしておけば良かった。
CPUは4.3GHzでは駄目だが、4.0GHzでは大丈夫かも知れないし、
メモリのオーバークロックだけ止めれば安定して動くかも知れない。
時間さえあれば色々試してベストな設定を見つけられたはずだ。


テスト中は暇なので色々お話したり、観戦したりして楽しかった。AWAKEの巨瀬さんと結構ずっと一緒にいた。
何度もテスト中のマシンを見に来てくれた。
巨瀬さんは半年前の将棋電王トーナメントで勝てば電王戦出場という戦いで対局続行不能に陥って敗北し、
電王戦出場を逃している。
同じ思いはして欲しくないと心配してくれていたのかも知れない。


この日は駅前の風呂屋に行って、吉野家に行って、カラオケに泊まった。
風呂屋さんではカラフルな背中の人が沢山いた。
吉野家には篠田さんがいた。
カラオケは1600円でかなり快適に寝られることが分かった。
最初の数手だけ自分で指す手を決めようと、最後の定跡調整をやろうとしたが眠くなり寝た。



選手権二日目
不安が一杯だった。完走出来るのか、決勝に残れるのか。
クラスタ化は間に合わなかったし、オーバークロックも駄目で、自信も減ってしまい、
決勝進出の可能性は五分五分かなと思っていた。(それでも強気なのかも知れないが。)
昨日寝てしまったので、起きてから序盤の決め打ちを実装し、一応対局前には定跡の調整を終え、
相手によって序盤の出だしを変えるようにした。
後は見守るだけだ。


二次予選第1局 Apery - 無明5
定跡抜けたところで+1167点。今年は定跡がマシになったのだが、早くも効果が出たか。
しかし完走出来るか不安で仕方なく、祈るような気持ちで対局を見守った。
何とか完走してくれて勝利出来た。
他の対局では、Ponanzaの通信エラー負け、YSSの遅刻負けなど、波乱が巻き起こっていた。


二次予選第2局 激指 - Apery
激指とは選手権で初めて対局する。
過去2回の選手権の会場でもあまりお話出来てなかったので、
席も隣だし、早々と対局できて嬉しかった。
激指は今年は全然floodgateに現れなかったし、正直強さが分からなかった。
鶴岡さんも横山さんも多忙らしいのだが、
鶴岡さんが、少しは成果が出たと仰っていたので、やはり怖い相手だ。
途中+2000を超えて、激指もマイナス評価だし、止まらなければ勝てると思った。
しかし、終盤で一気にひっくり返された。
Aperyは相手玉が広い時に評価を間違えやすい気がする。2駒の関係に高い点数が付きすぎていて、
玉を追いかけているうちは高評価し、追いきれなくなった時点で評価が急減してしまうのかと思ったが、
実際のところは未だに良く分かっていない。
もうマシンも評価値も何も信用出来ないと思った一局だった。


二次予選第3局 N4S - Apery
後手四間飛車穴熊を採用してしまい、評価値的には問題ないが実際勝ちにくい。
失敗したと思った。
見るからに危ない形で、評価値は千日手を表す 0 を何度か示しつつも、
読んでいる内に千日手では無い手が最善になったりして、何手か進んで行き、
非常にハラハラした。
勝ちたいと最初は思っていたが、途中からは千日手で早く終わってくれと思った。
結局は願い通り、千日手
このときは1勝1敗1分で微妙な立ち上がりだと思ったが、
結果的にはこの千日手は勝ち以上の価値があった。
勝数的には勝ちに等しい意味を持ち、スイス式では出来るだけ成績が同じ相手と当たるので、
勝ちよりも対戦相手に恵まれる結果となったからだ。


二次予選第4局 Apery - 竜の卵
竜の卵とも今回の選手権が初手合いだった。
初手合いは嬉しい。話す機会が少なかった人と話す絶好の機会だからだ。
竜の卵はfloodgateに少なくとも名前が分かる形では出ていないので、
毎年どれだけ強くなっているのか分からない。
ツツカナに勝っていたのが気になった。
しかし、対局が始まると竜の卵は全く定跡形から外れた指し方をした。
歩を突かずに玉を移動させたのを見て、稲庭系かと背筋が凍った。
なぜなら今大会のAperyは稲庭対策用のコードを外していたからだ。
将棋電王トーナメントでは稲庭は出来ないルールになっていた。
そのときに稲庭対策を外したまま直すのを忘れていたのだった。
非常に焦ったが、ほどなくして竜の卵は歩を突いたし、
竜の卵作者の中谷さんは、定跡ファイルが読めていないようだと仰った。
それを知って、とても安堵した。
ここで杉田先生が稲庭対策をしてないことを普通にばらした。
誰かに聞かれていて次にやられてはいけないので、
とぼけて「いやいや、対策してますよー。。。」
と言ったりしてみた。
対局はAperyが序盤でかなり得をし、そのまま押し切ることが出来た。
中谷さんはデバッグの為に席を離れたのであまり話せなかった。


二次予選第5局 Apery - GPS将棋
GPS将棋とも初手合い。初手合いが多くて良かった。
今年はGPSはPC1台での参加のようで、少し寂しくもあり、対局相手としては得をしたとも思った。
クラスタ監視の為に会場に来れない年が続いた田中先生も今年は会場にいらっしゃって、TeamGPSは大人数で楽しそうだと思った。
私の見立てでは実力では1台のGPSでもAperyよりは上だと思っていた。
後日のfloodgateの結果から、それは間違っていなかった。
しかし、こっちに運が味方した。
途中、▲9五玉を指したあたりでは、非常に怖かった。
Aperyは入玉の評価値の補正の為に、高い位置の玉には大きくプラスをしている。
将棋電王トーナメントの予選でツツカナ相手に無理に入玉を目指して逆転負けをしたのを思い出した。
あの時よりは玉の位置のボーナスを小さくしていたが、まだまだ信頼出来る評価値ではなかった。
もう将棋の内容は頭に入ってこなかった。評価値の推移のみを見て、
GPSのブースとAperyのブースを行ったり来たりした。
しばらくして、Aperyが勝ちを読みきり、Aperyのブース近くでガッツポーズをしてしまった。
コンピュータ将棋の世界は、勝敗が決まったときに
喜びを表しても失礼には当たらない雰囲気があると思うけれど、
出来るだけ今後はガッツポーズはしないようにしようと思った。
この1勝は非常に大きいと思ったし、GPS将棋に勝てたというのは本当に嬉しかった。
この時点で3勝1敗1分でまずまず。


二次予選第6局 AWAKE - Apery
第22回選手権初参加の同期対決。
AWAKEはAperyより順位的にはいつも下になっているのだけれど、この一年間で本当に強くなっているし、
実力的にはおそらくもう負けているだろう。
巨瀬さんの情熱が本当にすごいし、今後も負けないように頑張り続けたい。
同じくらいの実力でいつまでも戦い続けられたら楽しいと思う。
将棋自体はAperyにあまりいいところなく完敗だった。


二次予選第7局 Apery - YSS
YSSとは昨年の選手権では1000点以上Aperyが有利な局面から逆転された。
結果的にそこで負けたことでAperyは9位で二次予選敗退。YSSは決勝進出となった。
電王トーナメントでも良い勝負になった。そのときは勝てた。
山下さんからも、Aperyとはいつも面白い将棋になると言って頂いた。
今回は角換わりからのAperyの無理攻めが通るかどうかという将棋。
内容的にはちょっと不甲斐なかったように思う。
90手目から100手目くらいの間で、先手+500点あったのがマイナスに逆転した。
後手玉の守り駒が玉から離れてて評価難しかったのかな。
まあYSSとは単体でもこちらが強いとは言い難いし、更にYSSは巨大クラスタだし、仕方無いと思った。
ただ、かなり決勝進出は厳しくなってきた。
残り全部勝って、星取の関係でどうかという感じ。


二次予選第8局 GA将!!!!!!! - Apery
GA将には初めて参加した選手権で負けた。優勢ながら、時間切れで負けてしまった。
それ以来の対局。
開始早々定跡を外れ、見る見る評価値はApery有利になっていく。
しかし、序盤から定跡を外れているのもあり、時間がかかる将棋だ。
そうなると忘れていたマシンの不調が気になってきた。
不安に思いつつも、結果的にはマシンは完走し、勝ってくれた。
これでやっとGA将にも勝つことが出来た。
次の最終局を勝っても他の対局次第という状況だった。


二次予選第9局 習甦 - Apery
最後に習甦と当たるとは。
半年前の将棋電王トーナメントの5位決定戦では勝った方が電王戦に出られるという対局を習甦と戦った。
そのときは習甦の格好良い攻めが決まってAperyは負けてしまった。
今回はAperyは勝てば決勝進出の可能性あり。習甦は残念ながら予選敗退が決定しており、
同じ境遇ではないが、絶好の相手だと思った。
習甦はCPUを回し続けると熱の影響で警報のブザーがなるようで、相手番のときは思考を切っていた。
かなりのハンディだと思う。
16コア使わずに8コアくらいで常に動かした方が良いのでは?と思ったりもした。
しかし勝利が欲しかった私としては、正直ありがたいと思ってしまった。
定跡を外れて数手でAperyは自分の方が有利だと判定し、そのまま有利を拡大して危なげなく勝利出来た。


他の将棋が気になって、色々見た。Selene - YSS では Selene が勝つと思っていたら、なんと大逆転で YSS の勝利。
結果的には勝った方が決勝進出の戦いで、YSS が恐ろしい底力を見せた。
YSS の連続決勝進出記録がまた1つ増えた。「YSS の法則」「原理的に YSS が勝つ」「自然の摂理」などと言われていた。
Selene は予選を通じて対局相手が厳しかったようだ。
Selene も第22回選手権初参加組で、ライバル視している。
Apery, AWAKE, Selene の直接対局結果だけを見ると、
Apery < AWAKE < Selene
ということになった。負けていられない。


予選の結果は、8位。ギリギリで決勝進出。
5勝3敗1分で、1分には勝利に等しい価値があった。
初の決勝進出で、嬉しかった。同時に、こんなギリギリでは今回はこれ以上の結果を求めることは出来ないなと思った。


この日はAperyチームの3人と、ちょうど一緒におられた将棋ファンのオジサンと飲みに行った。
駅前の魚民だったかな。隣の居酒屋にはJPBR-0の築地さんや、他のチームの人も多数いた模様。しかし隣の居酒屋は一杯で入れなかった。
オジサンは本当に将棋好きで、全国色々なところにタイトル戦の観戦などに行かれているようで、色々話せて楽しかった。
私と山本君は杉田先生に奢ってもらった。ありがとうございます。


この日は山本君もお疲れで、電車に乗って遠くのホテルに泊まるのは止めて、私と同じくカラオケ泊を選択した。
良い判断だ。
風呂屋に行って、カラオケに泊まった。風呂屋は昨日は刺青の人が一杯いたが、この日は貸切状態だった。
山本君は湯船には浸からない主義らしく、ずっとシャワーを浴びていた。
カラオケはこの日も空いていて良かった。
ドリンクバー飲みながら、選手権のネット中継ブログを二人で見たりしてから寝た。
もうプログラムいじっても仕方無いし、既に結果にある程度満足していた。
山本君は隣の部屋の歌声とかが気になって寝難そうだった。慣れが必要なのかな。
結構大きな地震が起きた。しかし歌声は全く止まなかった。



選手権三日目
翌日、カラオケはフリータイムが6時までなので、時間が有り余っていて、ゆっくりファミマのイットインで食事をしたあと、
海を見に行った。かなり優雅。唯一の観光を終えた。
時間を潰すのに、話し相手がいたので良かった。
今度からは皆もカラオケに泊まろう。


会場では、たった8チーム分だけのブースがあり、今年は一般の観戦者も同じ部屋ということで、
今までと結構雰囲気が違った。
遠山先生の振り駒で、Aperyは先手が1局多くなることに決まった。ツイてた。


決勝第1局 NineDayFever - Apery
正直勝てる相手では無い。80%以上は負ける相手だ。どうにもならない。
NineDayFever は定跡に少し穴があるので、定跡で1000点くらい差がついたら良いなと思ったが、
そう上手くはいかなかった。
定跡を抜けたあとすぐにAperyは大きく不利になったし、本当に良い所が無かった。
NineDayFeverの金澤さんは、聞いたら何でも隠さずに教えてくれるし、本当にすばらしい方だ。
プログラムも態度も見習いたい。


決勝第2局 Bonanza - Apery
選手権ではBonanzaと対局するのは初めて。
Aperyチームとして、色々学習についてお聞きしたいことがあったので、
杉田先生から色々保木さんに質問させて頂いた。
将棋は角換わりからの相入玉。Aperyは現地にPCがあるが、Bonanzaは遠隔で指し手を決定しているので、
入玉形で時間が足りなくなったときにはロスが大きいのだと思った。
そのせいか、入玉形でありながら、駒をどんどん取ることが出来たし、最後はBonanza玉を詰ますことが出来た。
後手で勝てたのは大きかった。


決勝第3局 Apery - 激指
昨日は逆転負けを喫した相手。負けても仕方ない。
早々と飛車当たりの銀を逃げずにAperyが無理攻めした結果、かなり不利になった。
もう駄目だと思ったが、激指が受けに回ってくれたお陰で、攻めている間に徐々に逆転していった。
何とか勝つことが出来た。かなりラッキーな勝利だった。


決勝第4局 Apery - ツツカナ
ツツカナとは昨日は対局していない。ノートPCで決勝に勝ち上がってくるなんて、すご過ぎる。
新しく購入したPCが壊れてしまうなんて、本当に不運だと思う。
来年からは私もマシンには一層気をつけようと思った。
将棋電王トーナメントでは2局戦って2局共負けてしまったので、そろそろ勝ちたかった。
将棋は▲1六角成が受けに利いてからは安心して見られた。
運良く勝利出来た。


決勝第5局 YSS - Apery
昨日負けた相手。YSSはなかなか苦手な気がする。
今回はYSSの玉が逃げた瞬間に大きく評価値が下がり、またもや逆転負けを喫した。
どうも玉が大移動出来る形は正しい評価値にはならないようだ。
この時点で3勝2敗。PonanzaがNineDayFeverに勝利して5勝0敗。4勝1敗がいないので、優勝はPonanzaだろうと思っていた。
ただ、最終局を消化試合にしては面白くないということで、色んな人(特に山下さん)から次の対局でのAperyの勝利を期待して頂いた。


決勝第6局 Apery - Ponanza
Ponanza。ずっとその強さを目標としている相手。Ponanzaは勝てば優勝というタイミングで対局出来て光栄に思った。
直前のfloodgateでは、(おそらく選手権バージョンのハードウェア構成の)Ponanzaとの対戦成績は6戦全敗だった。
昨日のPonanzaの通信不調もプログラムの改善で修正出来たようで、Ponanzaは磐石の態勢だった。
ただ、Ponanzaは序盤の定跡で積極的にリードを目指さないので、Aperyの先手だし、持ち時間はfloodgateより長いし、
序盤で有利になってそのまま進める事が出来れば、floodgateよりも勝ち目はあると思っていた。
対局は非常に激しい手順で、Ponanzaが得意としている戦い。評価値はAperyはApery有利、Ponanzaは互角で推移していた。
対局中は盤面も解説もあまり頭に入ってこなかったが、後から解説の動画を見ると攻防の角打などでギリギリの勝負をしていたようだった。
何とか勝利することが出来、最終局が消化試合になることを免れたばかりか、Aperyに優勝の可能性が高まってきた。
ただ、Ponanzaが連敗することは無いだろうと思っていたし、優勝に相応しいのはPonanzaだろうと思っていたので、
自分でも驚くほど優勝したいという気持ちは高まって来なかった。
後から知ったが、NineDayFeverにも優勝の可能性があったようだ。
NineDayFeverももちろん、優勝に相応しい実力だ。


決勝第7局 Apery - N4S
N4Sは昨日千日手で引き分けた相手。Aperyとそこまで実力が変わらないだろうと思っていたので、
N4Sがここまで全敗というのは驚きだった。
正直評価値ばかり気になって、将棋は頭に入らない。
Aperyは早々と自分が有利と判断し、そのまま押し切ることが出来た。
気になるのは YSS - Ponanza の対局。
YSS が苦しいところから、逆転したらしい。非常に盛り上がっていた。
同時に、こんなことがあるのかと本当に驚いた。
NineDayFever と Ponanza が負けて、Apery の優勝が決まった。
一成さんが本当に残念そうにしていたのが印象的だった。


正直、嬉しいという気持ちはあまり起きなかった。いや、嬉しいのだけれど、心の底からという感じでは無かった。
非常に光栄なことだけれど、今回は自分でも納得がいかない出来だったのに、なぜか優勝してしまったという気持ちで、
素直に喜ぶことは出来なかった。
後から知ったが、予選最下位通過からの優勝、2勝差からの逆転優勝は史上初らしい。
これまでで最も、最強チームと力の差があった優勝チームとなったことだろう。
結果が先行してしまったので、もっと強いプログラムにして、優勝に相応しい実力にしたいとすぐに思った。
色んな人からおめでとうと言って頂いて、取材も受けて、良く分からないことになっていた。
懇親会が始まっても、いつもならずっと食べて飲んで話しているのに、
何度も壇上に上がったり、取材受けたりで、全然違う感じだった。
壇上での挨拶では、気の利いたことを何も言えなかった。
何度も優勝を経験している山下さんが会場中の人を笑わせて、選手権は閉幕した。
来年以降、もっと納得のいくソフトに仕上げた上で上位に入賞して、素直に喜びたいと思った。
「『納得』はすべてに優先するぜッ!!」とジャイロ・ツェペリも言っている。


選手権が終わり、いつも通り木更津駅前で風呂屋に行った。この日は一人。
カラオケで寝ようと思ったが、まだ電車があったので、東京駅まで戻ってみた。
逆にネカフェが東京駅の近くに無くて、少し歩くことになって失敗した。
将棋ソフトを作っていることを知っている数少ない友人からもお祝いのメッセージが来たりして、嬉しく思った。
色々Twitterとか中継ブログとか選手権のニコ生とかクジラちゃんのニコ生とか見ようとしたが疲れてすぐに寝た。
特にクジラちゃんの、会場の人と話しながらの放送すごく面白いので昨年のとか見られないの残念だ。



選手権終了翌日
翌日、観光用に一日予定空けており、夜行バスで帰る予定だった。
初めて選手権に参加したときは、選手権最終日の翌日には美術館に行ったのだが、昨年と今年は体力が減っていてどこにも行く気が起きなかった。
せっかく東京には美術館が沢山あるというのに。。
結局一日ブラブラしたり、ネカフェで過ごして、夜行バスに乗って、Twitterで沢山頂いたお祝いメッセージに返信しながら大阪に帰った。