電王戦FINAL、本番用のソフト提出

やっと提出した。期限ぎりぎり。


1ヶ月の間にKPE(KPA?)で強くするのが目標だったけれど、
11月下旬に学習にバグを見つけたので、諦めて研究対策を行った。


記者発表でも言った通り、斎藤五段の棋譜はあるだけ並べたし、名人戦棋譜速報も初めて入ってみたりしたが、それで具体的に何か対策が出来る訳では無かった。
名人戦棋譜速報がものすごい棋譜のコメントとかボリュームがあって面白い事が分かって良かったけれど。(みんなも入ってみよう!)
それと斎藤五段の著書も買った。まだ少ししか読んでないけれど、面白い。電王戦までには読んでおきたい。


相手を知った所でコンピュータ将棋的にやれることは少ないかも知れないけれど、だからといって何も調べたりしないのは寂しいよね。少しでも何か出来るかも知れないし、折角の機会だし。


斎藤五段は居飛車党で、矢倉、角換わり、相掛かり、横歩取りなど、何でも指されているが、おそらく実戦で指されていない戦型もかなり研究はされていて、だから最近いきなり四間飛車を指されたりしたのだろうし、
Aperyとしては序盤はもうほんとに無事にやり過ごせるかどうかが勝負だ。
いきなり終盤に持って行かれるのは怖いのでそれを避ける為の定跡の工夫とかもしたつもりだけれど、網羅出来ているとは思えない。
依然として研究に嵌る可能性は残る。


無事序盤をやり過ごしたら中終盤で勝てるのかどうかは分からないとしか言えない。
コンピュータとしては中終盤で勝負するしか無いのだが、Aperyは他のソフトより終盤結構弱いと思う。なんか相対位置評価して強くはなったけれど終盤の鋭さが無くなった感がある。
斎藤五段は詰将棋が強いとのことなので、コンピュータが苦手とする、読みの先にある局面に詰があるかどうか、が重要な局面で一気に負かされることもあるかも知れない。


中終盤は一朝一夕には良くならないし、今後も頑張らなくては。
結局電王トーナメント後にやったことはこんな感じ。


・思考時間を色々調整した。
・定跡を増やした。
・定跡の手数制限入れた。
・たまに定跡無視して自力で指す。
・定跡は事前に探索して点数付けてあるので、点数制限入れた。
千日手は気持ち避ける感じに。
・序盤は探索して点数の近い手はランダムに選んだりする。
・これは駄目だろうって定跡を手作業で省いた。
・24点法対応。
・電王戦スポンサーのIntel様のCPUであるHaswell、
 そしてそれが搭載されたドスパラ様のGALLERIAだから出来る、
 PEXT命令で飛角の利きを取るPEXT Bitboardを
 コンピュータ将棋においておそらく初めて実装!
 (Magic Bitboardと比べて1%くらい速くなった。)
 (実際簡単だけれど凄そうに書いてみた。)
・電王戦スポンサーのMicrosoft様のOS、Windowsを使います!
 (今までLinuxで大会出てた。)


電王戦、やるべき事は終わってしまったんだなぁ。
どんな結果になるか、後は見守るだけ。



追記:
ちなみに不正とか無いことを可能な限り示す為にソースコードも一緒に送った。棋士にとってはソースコードあるからどないやねんってなるかも知れないが、頑張ればバイナリとソースコードあれば不正があるか無いかは分かるはずなので。
こういうことは先手打ってやっておいた方が良いかなと。